題名:フランス語の教師(フランス人)の授業内での発言に対する所感

 

今朝からの大雨で気分がナイーブになり、家を出る直前まで学校に行きたくないという心持だった。なんとか重い腰を上げて大学へ足を運び、ネイティブの講師によるフランス語の授業へ出席した。あの授業は個人的にあまり面白みを感じない。しかし出席があるのでしぶしぶ通っているといったところだ。3号館の309教室の少し重たい扉を開け、一番前の席に座った。着席後、教師が授業を始めるまで時間があったのでぼんやり宙を眺めて時間が過ぎるのを待っていた。程なくして、教師が話をはじめた。やっとかあと思いながらぼんやりとしたままでいると、不意に教師がアンケートなるものをし始めた。授業時間を使ってアンケート?と思いながら説明を聞いていると、どうやら二年次の1.申請コマ数と、一週間あたりの  2. 学内・自宅での勉強時間   3. バイト時間  4. その他娯楽の時間と内容の四項目に関するものであった。クラスの生徒一人ひとりに聞いていくようで、一番前に座っている自分の順番は一番だった。「どうしてこのタイミングで?」なんて思ったが、まあ普通に答えた。その後もほかの生徒が順々にアンケートに回答していった。まあ全体的に勉強時間は非常に少ない感じであった。そして最後の生徒がアンケートに回答した後、教師が口にしたことは予想通りだった。すべてを書くのは手間がかかるので要約すると

 

①「日本の大学生はフランスの大学生に比べて授業外における勉強時間が非常に少ない」

②「日本の学生の勉強時間ではフランスの大学生ならば進級できない」

③「島国だから自分たち(日本の大学生)が勉強していないことがわからない」

 

とまあざっくりこんな感じだ。

まあ言っていること自体はTwitterとかで見かける外国と日本を比較して外国のすばらしさを鼻高に説く人間と似ている。まあ向こうの詳しい実情というエビデンスを持っている分説得力はある。教授ご本人としては、恐らく授業外で勉強をせず遊び惚けている日本の大学生への軽蔑含まれているのだろうと思う。

しかし①は日本の学生たち自身の問題だろうか?そこに私は疑問を感じる。日本とフランスの学生の授業外における勉強時間のみを比較して、日本の学生の日常学習に対する姿勢にのみ問題があると結論付けるのは些か早急ではないだろうか。私は両国の学生の資質にそこまで差があるとは思わない。ではどうして授業外学習時間に差があるのか。それは教育制度と環境の差に他ならない。教授も②で言った通り日仏間では(主に文系)学部進級の難易度に差がある。日本の大学における進級は比較的簡単である、つまり単位取得のために必要とされる水準が低いor成績が付きやすいため、学生は少ない勉強時間であっても進級は可能である。また卒業要件も緩く、(文系学部では)一部例外を除き必要最低限のことをすれば卒業するために特に努力を必要としない。環境面では「主に文系学部生が就職する日本企業の大半が、学部時代に「何を」「どれだけ」勉強したかという観点を採用時に重視しない」と学生側に考えられている現状がある。企業がただの「大卒」という肩書と一般常識と多少の英語運用能力しか求めていないとみなされる現状が続く限り、日本の学生は大学における勉強に必要以上に精を出すことはないのではないか。どうだろう?